建て替えを考えるタイミング

住み替えや建て替えを行う場合、平均居住年数は全国平均で31.5年とされています。そのため、建て替えを考えるタイミングの目安は、30年くらいと考えるのが望ましいです。ここでは、建て替えを考える理由や注意点について解説します。

※参照元：【pdf】国土交通省 住宅局/令和５年度住宅市場動向調査報告書（ https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001767858.pdf）

建て替えを考える理由

建物の老朽化

30年を目安に建て替えを考える理由の大部分は、建物の老朽化です。外壁や屋根にひび割れや劣化が見られたり、給排水設備の故障が増えたりする場合は注意が必要です。また、耐震性の不足が明らかになった場合、安全性確保のためにも、建て替えを検討する必要があります。

耐震性能

築年数が古い建物は、新しい建物のような耐震性能を備えていないため、大きな地震が発生した際には被災リスクが高まります。中でも、1981年以前の旧耐震基準で建てられた家は、新しい耐震基準で建てられたものと比べて、耐震性が不十分なケースが多く見られます。建て替えを行うと、新しい耐震基準を満たす建物にできるのはもちろん、災害に備えることができます。

地域の災害情報を確認し、築40年以上なら検討の余地があります。

家族のライフスタイルの変化

結婚や出産で家族が増えた場合、現在の間取りでは手狭になることから、部屋数や収納場所を増やす必要が出てきます。子どもの自立や親の介護などの変化によって、建て替えを検討するケースもあります。

また、ライフスタイルの変化に応じて、住まいの間取りを見直すことも重要です。例えば、リモートワークの普及に伴い、居住空間の中に、仕事用のスペースが求められるようになりました。家族の生活の変化に対して柔軟に対応していくためには、適切に間取りを変更する必要があります。

建て替え時の注意点

再建築不可ではないこと

再建築不可とは、現在は建築が不可能な場所に建物が建築されている土地のことです。つまり、当時は問題がなかった土地であっても、その後に規制がかかった土地のことを指します。このような土地の場合、建て替えや増築などができないだけではなく、大がかりなリフォームも制限されてしまいます。

地盤調査は必ず行う

地盤調査とは、建物を建てる前に、その地盤がどのくらいの建物の重さに耐え、沈下に抵抗する力があるのかを調べることを言います。家を建てるためには、建築基準法を遵守することが重要です。建築基準法によって新築時や建て替え時には、地盤調査が義務づけられています。瑕疵担保責任保険へ加入するためにも必須となっています。

仮住まいを手配する

建て替えを行っている間は、仮住まいが必要となります。仮住まい先が決まらなければ、家屋解体以降の工程へ進むことができず、新居への引っ越しも後ろ倒しになります。そのため、建築会社の選定がある程度終わったところで、仮住まい先を探し始めることが重要です。

仮住まいを決める場合、今と同じ日常を送るなら、家族構成やライフスタイルに見合った物件選びが欠かせません。駅からの距離や駐車場の有無といった条件も生活するには大切な要素となります。

建て替えまでの工程

施工会社の情報を集める

「絶対にここにする」というこだわりがなければ2～3社で相談・見積もりを行って比較検討してみましょう。

合見積もりにより施工会社を決定する

合見積もりだけでなく、プランや担当者と信頼関係を築くことができるかなど総合的に判断して施工会社を決定しましょう。

住宅ローンの申請を行う

住宅ローンの審査が通るかを2～3社確認し、どのタイミングで支払い開始かとつなぎ融資が可能であるかなども合わせて確認しておきましょう。

解体業者を決定する

解体業者は施工会社が手数料をとって紹介する場合もありますし、自分で探すこともできます。自分で探すと手数料はかかりませんが、合見積もりをとることをおすすめします。

仮住まいを検討

現在の通勤や通学に影響がでないように、運び出した家電・家具が収納できるような場所をさがしておきます。

家の片付けを行う

仮住まいに持っていくもの、処分するものに分けます。粗大ごみの日の確認や引き取業者を探すなども合わせて行っておきましょう。

近隣への挨拶回り

工事中に騒音などで迷惑がかかる近隣への挨拶は工事着工までに。現場スタッフが代行してくれるところもありますので確認しましょう。

仮住まいへの引っ越し

万が一予定通りに引っ越せなかったことを考えて工事着工数日前までに引っ越し予定を立てておきましょう。

解体工事を行う

業者にお任せの部分ではありますが、分別を行いながら住宅を解体するため、2週間前後かかることがあります。

地盤調査・地盤改良を行う

更地になった時点で地盤調査を行います。強度があればそのまま次の工程にすすみますが、強度不十分であった場合は地盤改良が必要となります。

地鎮祭を執り行う

土地のお清めや土地の神様に新築の報告をすると同時に工事の無事を祈る儀式を行います。大抵は施工会社が段取りをします。

完成から引き渡し

完成したら施工会社と住宅をチェックし、本鍵の引渡しとなります。完了に伴う申請関係は施工会社が行います。引渡し後は住宅ローンの手続きが必要となります。

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