
川口市で新築一戸建てを注文住宅で建てる場合、資金計画は「建売住宅を買うとき」とは別物になります。支払いが数回に分かれるため一時的な資金が必要になり、住宅の省エネ性能によって住宅ローン控除の枠が1,000万円単位で変わるからです。ここでは2026年時点の金利・税制をふまえて、川口市で新築一戸建てを建てるための住宅ローンの考え方を整理します。
まずは全国のデータと川口市の土地価格から、借入額の目安を逆算してみましょう。
住宅金融支援機構の「2025年度フラット35利用者調査」によると、土地付注文住宅(土地を購入して家を建てるケース)の所要資金は全国平均で5,313万円、平均世帯年収742万円、年収倍率7.8倍、総返済負担率26.4%でした。すでに土地を持っている「注文住宅」は所要資金4,262万円、年収倍率6.9倍、総返済負担率23.0%。土地を買うかどうかで必要資金が1,000万円以上変わります。
なお川口市を含む首都圏は、フラット35利用者全体の平均所要資金が約4,792万円と全国平均を上回ります。土地価格が高いぶん、多めに見積もっておくのが現実的です。
※参照元:【pdf】住宅金融支援機構/2025年度フラット35利用者調査(https://www.jhf.go.jp/files/topics/4941_ext_99_1.pdf)/辰巳地所「2025年度フラット35利用者調査」(https://www.ttm-est.com/flat35-user-survey-2025/)
川口市の土地価格は、2026年時点で平均坪単価87.3万円(㎡単価26.4万円)、前年比プラス4.76%と上昇が続いています。ただし市内の差は大きく、最も高い本町は坪360.3万円と市平均の4倍を超えます。
| 地区 | 坪単価 | ㎡単価 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 本町 | 360.3万円 | 109.0万円 | +8.30% |
| 芝新町 | 212.6万円 | 64.3万円 | +8.80% |
| 西川口 | 139.2万円 | 42.1万円 | +7.26% |
| 中青木 | 128.3万円 | 38.8万円 | +4.16% |
| 川口市平均 | 87.3万円 | 26.4万円 | +4.76% |
仮に35坪の土地を買うとすると、市平均の坪87.3万円なら土地代は約3,050万円、本町エリアなら1億円を超える計算です。「建物にいくらかけられるか」は土地をどこで探すかでほぼ決まってしまうため、住宅ローンの相談は土地探しと同時に始めるのが鉄則です。地区ごとの価格は川口市の地域別・土地価格でも紹介しています。
※参照元:GMO不動産査定「川口市(埼玉県)の土地価格」2026年(https://e-estate.jp/land/market-price/saitama/kawaguchishi/)
国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査報告書」によると、土地を購入して注文住宅を新築した世帯の平均取得資金は6,188万円(中央値5,030万円)で、自己資金比率は32.2%でした。少数の高額物件が平均を押し上げているため、実感に近いのは中央値のほうです。
また同調査では、注文住宅を新築した世帯のうち長期優良住宅の認定を受けている世帯が全国で62.7%、川口市が含まれる三大都市圏では68.7%にのぼります。7割近くが住宅性能の認定を取得しており、後述する住宅ローン控除の枠を最大限使うことが前提になりつつある状況です。
※参照元:【pdf】国土交通省 住宅局/令和6年度住宅市場動向調査報告書 P.46~47・P.80(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf)
ここ数年で住宅ローンを取り巻く前提は大きく変わりました。10年前の「超低金利でとにかく借りたほうが得」という考え方は、そのままでは通用しません。
日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も段階的に利上げを進めてきました。2026年6月15~16日の金融政策決定会合では、政策金利を0.75%から1.00%へ引き上げることを決定。約31年ぶりの水準です。
変動金利は短期プライムレートに連動するため、政策金利の引き上げは時間差をおいて変動金利にも波及します。「変動は低いから安心」ではなく「上がったときにいくらまで返済額が増えるか」を先に確認しておきましょう。
※参照元:【pdf】日本銀行「当面の金融政策運営について」(2026年6月16日)(https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260616c.pdf)/日本経済研究センター「日銀6月会合、政策金利を1%に引き上げ」(https://www.jcer.or.jp/research-report/20260616-2.html)
全期間固定金利の代表であるフラット35(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下)の最頻金利は、2026年9月時点で年3.46%。2025年1月の1.86%から1年8か月で1.6ポイント上昇しています。
| 時期 | フラット35の最頻金利 |
|---|---|
| 2025年1月 | 1.86% |
| 2026年5月 | 2.71% |
| 2026年9月 | 3.46% |
一方、変動金利は2026年9月時点でネット銀行の最低水準が年1%前後、主要行の平均でも年1.2%台とされています。固定との差は2ポイント以上あり、「当初の返済額を抑えたい人は変動、返済額を確定させたい人は固定」という選択がこれまで以上に鮮明になっています。
なお、子どもがいる世帯や夫婦のいずれかが40歳未満の世帯は、フラット35の「子育てプラス」によって当初一定期間の金利引き下げを受けられます。子ども1人につき1ポイント、若年夫婦世帯は1ポイントが加算され、ポイント数に応じて金利が引き下げられる仕組みです。固定金利が上昇している局面では、この引き下げ幅の影響は決して小さくありません。
※参照元:リクルート「はじめての住宅ローン|【フラット35】金利推移と最新動向」(https://finance.recruit.co.jp/article/f001/)/モゲチェック「住宅ローン金利2026年9月の最新動向」(https://mogecheck.jp/articles/show/51rzNy7XEJ5o4mQ6ZkVv)/SBIエフィナンス「フラット35子育てプラスとは?」(https://www.sbi-efinance.co.jp/contents/flat35_child_care_support/)
変動金利には、金利が上がっても5年間は毎月返済額を据え置く「5年ルール」と、6年目の見直し時も従来の125%までしか上げない「125%ルール」を設けている金融機関があります。急な返済額の増加を防ぐ仕組みですが、注意点が2つあります。
1つ目は、返済額が据え置かれても利息は増えているため、返済額に占める元金の割合が減り、返済が進みにくくなること。金利が大きく上がれば、利息が返済額を上回る「未払利息」が発生する可能性もあります。2つ目は、ネット銀行を中心にこれらのルールを採用していない金融機関があること。金利タイプだけでなく、こうした仕組みの違いまで確認して選びましょう。
ここが建売住宅を買う場合といちばん違うポイントです。土地を買って注文住宅を建てる場合、一般的に「土地の代金 → 着工金 → 中間金(上棟時) → 最終金(引き渡し時)」という流れで支払いが発生します。ところが住宅ローンが実行されるのは原則として最後の引き渡し時。それまでの土地代や着工金・中間金をどう用意するかが問題になります。自己資金だけでまかなえない場合に使うのが、つなぎ融資・土地先行融資・分割融資です。
| 項目 | つなぎ融資 | 土地先行融資 | 分割融資 |
|---|---|---|---|
| 担保 | 無担保 | 購入する土地 | あり |
| 金利 | 高い傾向 | 住宅ローンと同等 | 住宅ローンと同等 |
| 手数料 | あり | 複数回かかる場合がある | 1回のみ |
| 住宅ローン控除 | 対象外 | 利用できる | 利用できる |
つなぎ融資は無担保で手続きが比較的簡単な反面、金利が高めで住宅ローン控除の対象にもなりません。土地先行融資・分割融資は住宅ローンと同じ金利水準で控除も使えるかわりに、抵当権の設定や登記の手続きが増え、土地分の返済が先に始まる場合もあります。
※参照元:みずほ銀行「土地先行融資とは?つなぎ融資や分割融資との違い・利用の流れ、注意点」(https://www.mizuhobank.co.jp/loan_housing/faq/loanguide/tips/article37/index.html)
土地先行融資や分割融資は、どの金融機関でも扱っているわけではありません。土地を探し始める段階で、建築会社に「これまでどの金融機関でどう組んできたか」を確認しておくと、資金面で選択肢を狭めずに済みます。
また、土地の借入分にも住宅ローン控除を適用するには「土地の取得から2年以内にその土地に住宅を新築する」「新築から6か月以内に入居する」といった条件があります。土地だけ先に買って建築計画が長く止まると、控除が使えなくなるおそれがある点にも注意しましょう。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、令和8年度税制改正によって適用期限が2030年12月31日入居分まで5年延長されました。2026年に入居する場合の条件は次のとおりです。
控除率は年末のローン残高に対して0.7%。住宅の省エネ性能によって、控除の対象になる借入額の上限が変わります。
| 住宅の区分 | 借入限度額(一般世帯) | 借入限度額(子育て世帯等) | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 |
「子育て世帯等」とは、19歳未満の子どもがいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯を指します。同じ子育て世帯でも、省エネ基準適合住宅と認定長期優良住宅では借入限度額に2,000万円の差。控除率0.7%で単純計算すると、年間の控除額で最大14万円、13年間ではおよそ180万円の違いになります。
なお、新築の省エネ基準適合住宅がこの条件で使えるのは2026年・2027年入居分まで。2028年以降の入居は原則として支援対象外となり、2027年末までに建築確認を受けたもの等は2,000万円×10年の扱いになります。省エネ性能を上げずに建てる場合ほど、入居時期の影響を受けやすい点に注意しましょう。
※参照元:【pdf】国土交通省/令和8年度税制改正概要(令和7年12月)(https://www.mlit.go.jp/page/content/001975596.pdf)/補助金ポータル「住宅ローン減税が5年延長!令和8年度の借入限度額・対象者・改正ポイント」(https://hojyokin-portal.jp/columns/jyutaku-loan)
2025年4月から、原則としてすべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務づけられました。これから川口市で注文住宅を建てるなら、最低ラインの「省エネ基準適合住宅」は自動的にクリアすることになります。
つまり検討すべきなのは「省エネ基準を満たすかどうか」ではなく、「ZEH水準や認定長期優良住宅まで性能を引き上げるかどうか」です。性能を上げれば建築費は上がりますが、住宅ローン控除の枠が広がり、光熱費も下がります。建築費だけを比べるのではなく、控除額と光熱費まで含めた総額で判断しましょう。性能の考え方はZEH住宅や断熱のページでも解説しています。
住宅ローン控除には、金額以外にも満たすべき条件があります。おもなものは次のとおりです。
特に注意したいのが1つ目の「6か月以内の入居」。注文住宅は工期が延びることもあるため、引き渡しと入居のスケジュールは建築会社と早めにすり合わせておきましょう。補助金とあわせた資金計画は補助金・助成金制度のページも参考になります。
川口市には「川口市住宅リフォーム補助金」があり、令和8年度は税込20万円以上のリフォーム工事費の5%(上限10万円)が補助されます。ただし対象は市内の既存住宅のリフォームで、新築や建て替えは対象になりません。新築で注文住宅を建てる場合は、住宅ローン控除をはじめとする国の制度が資金面の柱になります。
※参照元:川口市公式HP「令和8年度(2026年度)川口市住宅リフォーム補助金」(https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/01130/040/2_2/48993.html)
土地の価格水準を調べるなら、川口市が案内している地価公示(毎年1月1日基準・3月下旬頃公表)と埼玉県地価調査(毎年7月1日基準・9月下旬公表)が参考になります。取得後の固定資産税・都市計画税は川口市役所の担当課が窓口です。住宅にかかる税金の全体像は税金のページをご覧ください。なお金融機関の相談窓口は店舗の統廃合や営業時間の変更が起こりやすいため、訪問前に各行の公式サイトで確認しておくと確実です。
※参照元:川口市公式HP「地価公示等について」(https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/01130/050/1/2195.html)
住宅ローンは金融機関と契約するものですが、実際の進めやすさは建築会社の関わり方で大きく変わります。川口市で会社を選ぶなら、次の3点を確認しておきましょう。
1つ目は、つなぎ融資や分割融資の実務に慣れているか。前述のとおり、これらを扱う金融機関は限られています。地域での施工実績が長い会社ほど、近隣の金融機関でどう組んできたかの引き出しを持っています。支払いと融資実行のタイミングを合わせられるかは、施主の一時的な負担に直結します。
2つ目は、ZEH水準や認定長期優良住宅の性能を確保できるか。住宅ローン控除の借入限度額は住宅性能で決まるため、性能はそのまま資金計画の一部です。建築費が上がる分と、控除額・光熱費の削減分を並べて示してもらえる会社なら、感覚ではなく数字で判断できます。当サイトで紹介している藤島建設は、埼玉の気候・風土の研究をふまえた高断熱・高気密の家づくりを掲げ、モデルハウスでの宿泊体験で性能を体感できるようにしています。
3つ目は、土地探しの段階から一緒に動いてくれるか。川口市はエリアによって坪単価が大きく変わるため、土地にいくらかけるかで建物の予算がほぼ決まってしまいます。土地と建物をまとめて予算配分できる会社であれば、「土地を買ったら建物の予算が足りなくなった」という失敗を避けられます。土地探しの進め方は土地の探し方もあわせてご覧ください。



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